アフターコロナの社会動態とその課題――いま、ここにしかない山陰地域の「観光」を考える

山陰研究プロジェクト2301

期 間:2023-2025年度
代 表:福井 栄二郎(法文学部 准教授) 

目的

 現代の観光は、いわゆるマスツーリズム的なものではなく、オルタナティヴな+αが求められる。例えば、教育を主眼とした「エコ・ツーリズム」「ダーク・ツーリズム」であり、移住を視野に入れた「田舎ツーリズム」であり、あるいは最先端の技術を堪能する「VRツーリズム」などである。つまり現代の観光は明確な目的――観光の先にあるもの――が必要となる。

 これを踏まえ、本共同研究は、山陰地域の観光資源の付加価値を「発見」し、観光現象からみえる社会動態を総合的に考察することを目的とする。だが本研究は決して短期的な経済効果を上げることを一義的な目的とはしていない。それは、観光が経済活動にとどまらない広く社会的な現象であると捉えているからである。本研究では、「観光客が訪れやすいまち」は「地元住民にとっても暮らしやすいまち」という視座をもちつつ、地域社会全体の未来を見据えた観光とは何かを再考する。 

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研究発表・報告

  • 2023年度

進捗状況

◆2023年度の研究計画と目標

 本年度は初年度なので、個々の研究者が自分たちのフィールドで調査を行い、データを収集する(下記参照)。また年間2~3回の研究会を開催し、議論を行うことで、今後の共同研究会自体の方向性を明確にする。

・東京と松江市の社会福祉NPOを対象に、バリアフリー観光について調査を行う

・島根県内の農家を対象に、農作物の商品化・観光化について調査を行う

・隠岐ジオパークを対象に、教育と観光の関係性について調査を行う

・可能であれば、ミニシンポジウムを行う

 

研究参加者

福井 栄二郎(法文学部准教授/観光人類学、※プロジェクト代表者)

飯野 公央(法文学部教授/公共経済学)

入月 俊明(総合理工学部教授/地質学)

江角 智也(生物資源科学部教授/農学・園芸学)

佐々木 愛(法文学部教授/歴史学)

野本 瑠美(法文学部准教授/文学)

毎熊 浩一(法文学部教授/行政学)

増永 二之(生物資源科学部教授/植物栄養学)