シンポジウム「持続可能な地域社会:若年層人口流出に対抗する新しい価値の創造」を開催しました

公開日 2022年01月24日

1月23日(日),松江テルサホールにて,法文学部山陰研究センター・大阪大学大学院人間社会科学研究科附属未来共創センター主催のシンポジウム「持続可能な地域社会:若年層人口流出に対抗する新しい価値の創造」を開催しました。このシンポジウムでは,若年層人口の県外流出に歯止めがかからない島根県で,今取り組まれなければならないことを議論することをねらいとしていました。新型コロナ感染拡大の影響で,急遽,無観客開催(オンライン配信)に変更になりましたが,3時間半にわたって登壇者の熱い討論が繰り広げられました。

吉川徹氏(大阪大学大学院教授)は,基調講演において,持続可能な地域社会を実現するためには,人口社会減についてのリテラシーと,多様な県民の人生へのリスペクトが鍵を握ると強調しました。この地域で生まれ育った子どもたちが将来もここに住み続けることをもっと重んじ,都会に進学しエリート職に就くことだけでなく多様な人生がそれぞれ価値あるものとして認識されるような社会・時代をつくっていくことが不可欠となるということです。続く石田龍之介氏(大阪大学大学院生),片岡佳美(島根大学教授),石飛憲氏(島根県立横田高等学校主幹教諭)の報告では,島根県の若年層人口流出をテーマに,高校生の進路意識の傾向,子どもを県外進学に導いていく親たちの子育て,県立普通高校の地域と連携した教育実践について議論がありました。

 パネル・ディスカッションでは,石飛厚志氏(雲南市長)によるコメントを受けて,討論がなされました。石飛市長もまた,多様な生き方に価値が認められることが重要だと述べ,家族と暮らすこと,地域に住み続けることが,もっと若い人たちに主体的に選択されるような社会づくりが課題であると指摘しました。

パネルディスカッションの様子 石飛厚志氏(雲南市長)によるコメント 大阪大学 吉川徹教授

このシンポジウムは山陰研究センターYoutubeチャンネルでアーカイブ公開しております。ぜひご視聴ください。

https://youtu.be/KdW2IfJi-Do