東日本における弥生時代~古墳時代の青銅器の移行過程とその生産・流通構造
[先鋭研究領域・若手支援事業]
期 間:2024-2025年
代 表:渡辺 夏海(法文学部山陰研究センター 客員研究員)



研究会・報告会
概要
本プロジェクトは、東日本における弥生時代~古墳時代移行期の小型青銅器を対象に、型式学的分析から当該期の青銅器の製作工房が一元的だったのかあるいは多元的だったのかを明らかにしたうえで、出土分布・状況からその機能と流通構造を復元することを目的とする。青銅器の製作工房の在り方を明確にするとともに、小型品が大型品と比してどういった機能を有し需要されたのか、そしてどのような流
通構造を以て東日本に分布が遍在するに至ったかを把握していく。
また原材料の特徴が青銅器の時期や系統の異同を示すことから、銅鏡の理化学的分析を行う。特に考古学的検討が進んでいる古墳時代倭鏡を対象とし、その原材料の特徴から様式的に理解することを目指す。
◆2024年度の研究計画と目標
本プロジェクトは、東日本における弥生時代~古墳時代の小型青銅器について、製作工房・製作技法やその流通について明らかにすることを最終目標とする。初年度は、目標達成のために不可欠な基礎的なデータを収集しつつ、まずは小銅鐸の調査・分析に取り組む。また國學院大學博物館所蔵鏡を対象に理化学分析を行うことで、青銅器の原材料の特徴を明らかにするための基準資料の蓄積を目指す。
全国学会に一部成果を公表したり、年に数回研究会を開催し議論を行うことで、小型青銅器のなかでも特に小銅鐸の製作・流通の実態に迫っていきたい。
◆2023年度の進捗状況(プロジェクト開始前)
- 國學院大學博物館所蔵鏡7面を対象とした鉛同位体比分析・ICP分析
研究参加者
※プロジェクト代表者は★を付す。
渡辺 夏海(法文学部山陰研究センター客員研究員/考古学 ※プロジェクト代表者)
深澤 太郎(國學院大學研究開発推進機構教授/考古学)