倭王権発展期における銅鏡生産・利用の研究
[先鋭研究領域・若手支援事業]
期 間:2024-2025年
代 表:村瀨 陸(奈良市教育委員会)

研究会・報告会
概要
本研究は、富雄丸山古墳出土銅鏡を基礎資料として丁寧な調査研究を行い、倭王権が発展する4世紀の銅鏡生産・利用にかんする実態の一端を解明することを目的とする。 倭王権を物語る上で重要な前方後円墳は、3世紀に出現し、5世紀には最大化する。しかし、その狭間にある4世紀は資・史料が比較的少なく、どのようにして倭王権が発展したのかは不明確な点が多い。 そこで、4世紀後半に位置づけられる富雄丸山古墳出土鏡を多角的に分析することで、銅鏡生産・利用の実態を明らかにすることは、倭王権の発展過程を解明する上でも重要な意義があると考える。
◆2024年度の研究計画と目標
本研究の最終目標は、基礎研究成果を学術誌等で公表し社会的に還元することである。
富雄丸山古墳出土鏡は、2022年度に鼉龍文盾形銅鏡、2023年度に3面の銅鏡が出土したところである。これらは比類なき銅鏡を含み社会的関心も高く、その基礎研究が重要である。
今年度は、各銅鏡の基礎情報の抽出、および関連鏡の調査を実施する。銅鏡の調査にはデジタルマイクロスコープを用いて、新視角での製作技法や工具について検討するとともに、細部を可視化するための三次元計測方法も実験する。また、器物の異質な流通がなぜ発生するのかを、琉球列島出土鏡をもとに検討する。
研究参加者
※プロジェクト代表者は★を付す。
村瀨 陸(奈良市教育委員会/考古学 ※プロジェクト代表者)
岩本 崇(法文学部准教授/考古学)
柴原聡一郎(奈良市教育委員会/考古学)
山口等悟(奈良市教育委員会/考古学)