宗門改帳データベースによる出雲・石見地域の 生活様式の比較史研究

山陰研究プロジェクト0404 

期 間:2004-2006年度
代 表:廣嶋 清志 (島根大学法文学部山陰研究センター)

目的

 江戸時代社会を構成する人口・家族の動態を明らかにする史料として,宗門改帳は,コンピュータの発達により,近年ようやく本格的に活用され始めている。

 宗門改帳は県内においてかなり存在していることが知られているが,個人宅や市町村役場,図書館に分散し,ごく一部を除き電子化されておらず,体系的な利用は事実上不可能であるため,江戸時代県内人口・家族に関する研究は極めて乏しい。本研究は,宗門改帳を解読し,電子化ファイルとしてデータベースを作成し,これを基盤として江戸時代県内地域・産業ごとに異なる生活様式を比較・分析し,持続可能社会の発展・再生産の仕組みを解明するものである。

 

研究発表・報告

  • 2006年度
  • 2005年度
  • 2004年度

進捗状況

◆2006年度の研究計画と目標

  1. 3回程度の研究会を行い,研究の遂行,研究成果の発表,情報交換を行う。
    4月4日にひきつづき当面,8月25日を予定。
  2. 宗門改帳及び関連資料を利用した研究を進める。
    ○ 小林・山崎は寺檀関係の地域的特徴ほか宗教状況
    ○ 相良は鑢の生産体制,労働者の移動など
    ○ 鳥谷は鉄山経営および安濃郡才坂村の人口
    ○ 仲野は銀山町および周辺の人口
    ○ 廣嶋は石見地域の宗門別出生率および地域別の死亡率など
    ○ 伊藤は,農事調査報告書によって20世紀初頭の農村構造の比較研究
  3. 研究会を以下のように開催し,研究報告,研究情報の交換を行った。
    2005年3月30日(水),7月15日(金),11月26日(土),2006年4月4日(火)
  4. 宗門改帳を利用した研究を収集するため,研究会への参加や刊行物の入手に努める。
  5. 宗門改帳の所在情報を収集する。
  6. 研究報告書を刊行する。
  7. 山陰研究シリーズの1冊の原稿を作成する。

◆2005年度進捗状況

  1.  宗門改帳の所在情報収集した。 (大田市立図書館,旧邑智郡潮村 中原義治氏宅,仁多 櫻井家など。)
  2. 宗門改帳を解読し,入力用のデータシートを作成した。(島根大学図書館所蔵 熊谷家文書 宗門改帳5村分(未完) )
  3. 研究会を以下のように開催し,研究報告,研究情報の交換を行った。 (2005年3月30日(水),7月15日(金),11月26日(土),2006年4月4日(火) )
  4. 研究報告書『宗門改帳からみる山陰の近世社会』を発行した。

◆研究報告書

山陰研究センター論文DB」からPDF形式でダウンロードできます。

◆その他

研究参加者

※プロジェクト代表者は★を付す。

  • 廣嶋清志 (山陰研究センター)★
  • 田籠  博 (言語文化学科・国語史学)
  • 小林准士 (社会文化学科・日本近世史学)
  • 相良英輔 (教育学部・産業歴史学)
  • 山崎  亮 (教育学部・宗教学)
  • 伊藤康宏 (生物資源科学部・漁村歴史学)
  • 鳥谷智文 (松江工業高等専門学校・日本歴史学)
  • 仲野義文 (石見銀山資料館・日本歴史学)

(8名)