島根県における地域福祉の現状と課題に関する 総合的研究

山陰研究プロジェクト0801 

期 間:2008-2009年度
代 表:加川 充浩(法文学部准教授:地域福祉論)

目的

 全国一の高齢化率を示す島根県が、今後の日本社会全体の、社会福祉分野におけるモデルケースとなる可能性を持っていることは、しばしば指摘される通りである。
 また近年、社会福祉の推進に関しては、多様な施策・支援の実践が地域コミュニティの個別具体的な文脈のなかで有機的に連結されて機能すべきだとする、地域福祉論的アプローチが主流となってきている。
 このような状況下、過度の高齢化と若年層の減少に直面する島根県において、高齢者福祉・障害者福祉・医療福祉等、各領域の社会福祉実践の現状を総合的に精査し、同時にそれらが地域コミュニティにおいていかに連携して機能していくべきなのか、その具体的・実践的方途を探ることが、本プロジェクトの目的である。

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研究発表・報告

  • 2009年度
  • 2008年度

進捗状況

2009年度

◆昨年度の進捗状況

 昨年度は、障害者の地域生活支援のための重層的な福祉サービスの研究、及び高齢者地域密着型サービスの研究をテーマとして、現地踏査等を行った。
これにより、上記各分野の調査研究を通して、社会福祉の当事者、地域住民、専門職、および地域特性の諸点について現状と課題に関する整理ができた。

◆本年度の研究計画と目標

 今年度は、昨年度の調査を踏まえつつ「島根県における福祉専門職のネットワーク構築に関する研究」に取り組む。
現在、要援護者を地域において総合的に支援するため、異なる機関・団体の福祉専門職がネットワークを形成することが社会福祉援助において求められている。しかし様々な理由から容易ではない。そこで次の諸点を明らかにする。
① ネットワークが必要な援助事例の構造的把握
② ネットワークの形成を阻む要因
③ ネットワークの形成を推進する要因
研究方法は、専門職、当事者、行政職への質問紙調査及びヒアリング調査による。研究会はプロジェクトメンバーに加え、現場の専門職の参加も得ることにする。

2008年度

◆昨年度の進捗状況

本年度から開始のプロジェクトである。

◆本年度の研究計画と目標

 初年度は、文献と踏査に基づく予備調査によって出雲部、石見部の中山間地域ならびに松江市街地から各1地区ずつ調査対象地を選定し、各地区において地域組織と高齢者福祉・障害者福祉・医療福祉の各領域の調査を遂行する。その際、福祉サービスを日常的に支える社会資源分布の空間的把握に留意するとともに、社会福祉施設利用者・家族ならびに施設職員に対するインタビュー調査の実施を通じて、地域社会における福祉領域のあり方を構造的に明らかにするよう努める。
研究成果は、学内外の研究者・実践者を招いて開催する研究会において公開するとともに、関連学会で報告する。

研究参加者

※プロジェクト代表者は★を付す。

  • 加川 充浩(法文学部准教授:地域福祉)★
  • 黒田 文(法文学部准教授:高齢者福祉)
  • 京 俊輔 (法文学部講師:障害者福祉)
  • 杉崎 千洋(法文学部教授:医療福祉)
  • 山崎 亮(法文学部教授:福祉文化)
  • 福井 栄二郎(法文学部准教授)

(5名)