「出雲国」成立過程における地域圏の形成と展開に かんする総合的研究
山陰研究プロジェクト0901
期 間:2009年度
代 表:大橋 泰夫(法文学部教授:歴史考古学)
目的
本研究は、『出雲国風土記』に記述される地域的なまとまりが行政的に成立するに至る過程を、考古学および古代史の史資料をふまえて通時的かつ実証的に把握しようとするものであり、地域というまとまりがどのようにして、いかなる背景をもとに形成され、展開したのか、そのメカニズムを探ることを目的とする。
『出雲国風土記』という現存唯一の完本風土記により、「出雲国」についての史料は豊富といえる。しかしながら、かえって「出雲」を特別視する傾向もあり、じつに様々かつ独特の「古代出雲像」や「出雲古代史観」が生み出されている。
この点について、島根大学や島根県が蓄積してきた考古学による実証的なデータをもちあわせて、文献史学も含めた学際的な再検討を試みる必要性は十分にあると考える。なぜなら、古代出雲の虚像と実像を明確に識別し、科学的に裏づけられた歴史像を提示することは、より豊かな歴史認識を普及する上で不可欠だからである。

研究発表・報告
- 2008年度
進捗状況
◆本年度の研究計画と目標
- 「出雲」における考古学および古代史の史資料の再検討。
- 新規に検討対象となりうる猪目洞窟遺跡・八日山1号墳、廻原1号墳の現状確認。
- 上記の新規検討対象遺跡から、1遺跡を選定し、測量調査を実施する。
- 測量調査についての成果をとりまとめ、報告に備える。
- 外部資金の申請を行う(個人、又は共同)
研究参加者
※プロジェクト代表者は★を付す。
- 大橋 泰夫(法文学部教授:歴史考古学)★
- 大日方克己(法文学部教授:日本史学)
- 山田康弘(法文学部准教授:考古学)
- 会下和宏(ミュージアム准教授:考古学)
- 岩本 崇(法文学部准教授:考古学)
- 角田 徳幸(島根県教育庁文化財課古代文化センター専門研究員:考古学)
(6名)