既掘考古資料の集成検討および一括資料群の再検討による山陰地域社会の動態的研究

山陰研究プロジェクト2202 

期 間:2022-2024年度
代 表:平郡 達哉(法文学部 准教授) 

目的

 本プロジェクトは、古くに発掘されたあるいは出土した既掘考古資料を対象に今日的な学術水準から再検討し、その歴史文化遺産としての持続的活用を促すことを目的とする。そのため、山陰あるいは出雲の地域を語る歴史資料として不可欠な考古資料を重点的に検討することはもちろん、あまり着目されてこなかった資料の再検討や新たな分析手法を積極的に活用する。一次資料を記録・表現する高精度の二次資料化の推進を重視する。そのなかでとくに三次元計測による文化財の新たな二次資料化の手法を積極的にとりいれ、博物館の展示等で公開をおこなうことをめざす。

鍵尾遺跡出土土器整理作業

  鍵尾遺跡出土土器整理作業

研究発表・報告

  • 2022年度

進捗状況

◆2021年度(前プロジェクト)の主な研究成果

1)山陰における重要資料の集成:学内メンバー各自が水晶製玉類、古鏡、鉄器の集成を通した研究発表を行った。
2)山陰における重要遺跡の一括資料の資料化と公開:東北大学所蔵の鷺の湯横穴墓出土遺物について東北大学ではX線CT解析作業を実施し、空玉や耳環の一部を計測し、ガラス玉の整理はおおよそ完了した。また、メンバー各自が関連資料の調査を進めつつ論考の発表を行った。石棺の3D調査についても学会発表を行った。
3)島根大学所蔵資料の資料化と公開:安来市鍵尾遺跡出土土器について接合復元作業を実施した結果、各墳墓からの出土土器の器種構成、出土量を把握すると共に過去に作成された図面を再製図し正確な遺構配置図の再構成を行った。

◆2022年度の研究計画と目標

・山陰における重要遺跡の一括資料の資料化と公開:東北大学所蔵の安来市鷺の湯病院跡横穴墓出土の一括資料群の資料化を進める。
・島根大学所蔵資料の資料化と公開:安来市鍵尾遺跡出土土器について、復元作業を実施する。

◆2022年度進捗状況

 

研究参加者

平郡 達哉(法文学部・准教授 / 韓国考古学、※プロジェクト代表者)
岩本  崇(法文学部・准教授 / 日本考古学)
会下 和宏(島根大学総合博物館 ・教授 / 東アジア考古学・博物館学)
大谷 晃二(島根県立三刀屋高等学校・教諭 / 日本考古学)
花谷  浩(出雲弥生の森博物館・館長 / 日本考古学)
吉松 優希(島根県古代文化センター・主任研究員 / 日本考古学)
金  宇大(滋賀県立大学人間文化学部・准教授 / 東アジア考古学)
土屋 隆史(宮内庁書陵部・研究員 / 東アジア考古学)
藤澤  敦(東北大学総合学術博物館・館長・教授 / 日本考古学)
鹿又 喜隆(東北大学文学部・教授 / 先史古学)
石橋  宏(東北大学埋蔵文化財調査室・専門職員 / 日本考古学)
今福拓哉(島根県教育庁埋蔵文化財調査センター・主任主事 / 日本考古学)
真木大空(島根県教育庁埋蔵文化財調査センター・主事 / 日本考古学)
坂本豊治(出雲弥生の森博物館・学芸員 / 日本考古学)
松山智弘(島根県教育庁埋蔵文化財調査センター・調査員 / 日本考古学)
森藤徳子(鳥取県立むきばんだ史跡公園・主事 / 日本考古学)
河合忍(岡山県教育庁文化財課・埋蔵文化財班長 / 日本考古学)