出雲鰐淵寺の歴史的・総合的研究〔科学研究費プロジェクト〕

[科学研究費プロジェクト]0911 

期 間:2009-2011年度
代 表:井上 寛司(島根大学名誉教授)
小林 准士(法文学部准教授:歴史学 / 研究分担者))

 

研究会・報告会 

 

概要

 出雲市別所町に位置する天台宗の古刹・浮浪山鰐淵寺は、古代以来出雲における蔵王信仰の拠点・修験の道場として発展したところで、中世には出雲国一宮出雲大社の本寺として、近世初頭に至るまで「国中第一の伽藍」と称される巨大な勢力を誇った。本研究は、こうした特異な位置を占める鰐淵寺について、「神仏隔離」原則を踏まえた「神仏習合」の、日本における最も典型的で象徴的な事例との観点から、その歴史的な全容を解明することを目標とする。
 本研究では、文献・建築・美術・考古・自然環境の5つの研究グループの緊密な連携を踏まえ、総合的な観点から研究を進めることとし、その研究経費は学術振興会からの研究助成(基盤研究(B))によって賄うものとする。
 本研究によって、鰐淵寺の持つ歴史的な価値や重要性が改めて鮮明になるとともに、そのことを通じて「融通無碍な多信教」と称される日本宗教の歴史的な本質もまたより具体的な形で解明されることになるであろう。
 本研究の終了とともに、その研究成果を踏まえて島根県立古代出雲歴史博物館において、「出雲鰐淵寺展」(仮称)が開催される予定ともなっている。

◆昨年度進捗状況
 山陰研究プロジェクト『出雲鰐淵寺の歴史的・総合的研究』(2007-08年度)から,2009年度より山陰研究共同プロジェクトとなった。

研究成果

  • 2010年度
  • 2009年度

研究参加者

※プロジェクト代表者は★を付す。

  • 井上寛司(島根大学名誉教授、文献史学)★
  • 小林准士(法文学部准教授、文献史学)★
  • 平 雅行(大阪大学大学院教授、文献史学)
  • 久留島典子(東京大学史料編纂所教授、文献史学)
  • 山岸常人(京都大学大学院准教授、建築史)
  • 田中哲雄(東北芸術工科大学教授、庭園史)
  • 関根俊一(帝塚山大学教授、美術史・仏具)
  • 浅湫 毅(京都国立博物館主任研究員、美術史・仏像)
  • 松浦 清(大阪工業大学准教授、美術史・仏画)
  • 的野克之(島根県立美術館学芸グループ課長、美術史・仏像)
  • 大橋泰夫(法文学部教授、考古学)
  • 松本岩雄(島根県立古代出雲歴史博物館学芸部長、考古学)
  • 花谷 浩(出雲市観光部次長兼文化財課学芸調整官、考古学)
  • 鳥谷芳雄(島根県立古代出雲歴史博物館専門学芸員、考古学・金石文)
  • 小椋純一(京都精華大学教授、植生学)
  • 山内靖喜(島根大学名誉教授、地質学)

(16名)